私が三年近く使ってきた文字起こしサービス Good Tape が、ちょうど今日で期限切れになった。請求書を引っ張り出して計算してみた:€476、だいたい台湾ドルで一万七千元だ。私は Pro プランだった。今月の使用量を見てみる:残り20時間。

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AI 合成音声・著者本人の声のクローン

なぜ自分で作りたかったのか

AI Agent の進歩が速すぎるからだ!すでに仕事のやり方が変わっている。加えて、会議が多い。台日、中英、たまに東南アジアのパートナーもいる。

公平に言えば、三年前の Good Tape は良いツールだった。これはデンマークのチームが作ったもので、安全性と正確さを売りにしている。だがそれが解決するのは「事後」の問題だ:録音を終えてアップロードし、文字起こしが終わるのを待つ。リアルタイムの認識はなく、翻訳もなく、要約もない。

私は三年で €476(台湾ドル約一万七千元)を払い、文字起こし機能を手にした。当時はこういう機能があるだけで驚きだったが、もし「その場で」、たとえば会議がまさに進行中に、相手が日本語を話せば即座に中国語が見られるなら、それはもっと素晴らしい。会議のあとにゆっくり整理するのではなく。

現在の市場にあるリアルタイム翻訳の競合はこうだ:

  • Transync AI:$8.99/月(10時間)、私が欲しいものに最も近い機能で、リアルタイム音声翻訳 + 会議要約 + 60言語がある。だがアプリのインストールが要り、時間を超えると別途時間カードを買う($7.99/10hr から)。使うほど高くつく。
  • JotMe:$9-15/月、107言語、ただし Chrome Extension に紐づく
  • Wordly:企業向け価格、時間単位のパック購入、10時間からだ
  • KUDO:年間ライセンス、価格は非公開、大企業を狙う
  • Palabra:デスクトップアプリのインストールが要り、特定の会議ソフトに紐づく

私が欲しかったものは、実のところごく単純だ:ブラウザを開けば使え、何もインストールせず、スマホでもパソコンでもよく、外国人との会議で AI の助けを借りながら理解でき、しかもコストが透明で制御できる。一昨日も共有したとおり、自分で作ることに決めた。

ツールの名は「リアルタイム会議記録|アゴラ広場」、私の個人サイトに配置した

  • 🎙 リアルタイム音声認識:話したその場で文字になる、録音し終えてから変換するのではない
  • 🌍 12言語のリアルタイム翻訳:繁体中国語、簡体中国語、英、日、韓、ベトナム、タイ、インドネシア、独、西、仏、ポルトガル
  • 📋 AI 会議要約:ワンクリックで要点整理 + ToDo + 決議を生成
  • 📖 用語集:専門用語の対照を自前で設定し、翻訳の一貫性を確保
  • 🖥 字幕モード:全画面の黒背景に大きな文字、プロジェクターの会議室用
  • ⬇️ 全文エクスポート:TXT / CSV、Excel に放り込める
  • 💰 リアルタイムコスト追跡:一件ごとの API 呼び出しがいくらかかったか、透明に見える
  • 🔐 三層認証:Google / LINE / Facebook OAuth + 招待コード

フロントエンド 2,533 行、バックエンド 2,148 行。一つの HTML ファイルに一つの Cloudflare Worker を加えたものだ。

技術的に最も面白い部分:三経路の音声認識ルーティング

音声認識は、一社の API を選べば済むものではない。言語ごとに最適解が違う。言語に応じてエンジンを自動で切り替える:

三経路の音声認識ルーティング構成

  • 🇹🇼 中国語 → Qwen3-ASR(アリババクラウド Qwen チーム、WebSocket ストリーミング)
  • 🇺🇸 英語 → whisper-large-v3-turbo(LPU ハードウェアアクセラレーション、200×+ のリアルタイム速度)
  • 🌐 その他言語 → Deepgram Nova-3(WebSocket ストリーミング)

翻訳は一律で Claude Haiku 4.5(Anthropic)を使い、さらにストリーミング出力で、翻訳結果は一文字ずつ出てくる。全部訳し終えてから表示するのではない。出力品質を考慮しただけでなく、コストも考えた。

  • Groq:$0.02/hr、英語が最も安い
  • Qwen:~$0.40/hr、中国語の認識率97%+、専門用語(方言にも対応)も正確だ
  • Deepgram:$200 の無料枠、多言語をまとめてカバー

1回1時間の中英会議なら、API コストは約 $0.50 USD。台湾ドルで16元だ。換算してみよう:私が Good Tape に払った €476 は、自作ツールなら950回超の会議を開けることに等しい。Transync AI の $8.99/月を一年使えば $108、同じ金額で216回開ける。

だがこの記事が本当に言いたいのは技術ではない

このツールを作るプロセスは、実のところ「どう AI と協働するか」を学ぶプロセスだった。私はエンジニアではない。私の経歴はライフサイエンス、神学、農産物EC、循環経済などだ。コードを書くのは私にはとても難しい。最初の起業のテーマは Fintech の SAAS を作ることだったが、ツールもサービスも一式、七人のチームの助けに頼っていた。

私にはこんな感覚がある。AI と協働するには、プログラミングの能力だけでなく、ある新しい素養が要るはずだ(まだうまく言えないのだが)。

問題を分解することはコードを書くより重要だ

Groq の連携は「Groq を追加して」の一言で動くわけではない。私はそれを二つの Phase に分けた:Phase A ではバックエンドで先に API エンドポイントを作り、デプロイし、疎通を検証する。Phase B ではフロントエンドで言語ルーティングを作り、選んだ言語に応じて自動でエンジンを切り替えさせる。

各 Phase は独立して検証できる。壊れても半分しか壊れず、全体が吹き飛ぶことはない。この分け方は AI が教えてくれたものではなく、何度もの失敗から学んだものだ。一度に欲張りすぎると、途中でトークンが尽きるかコンテキストが圧縮され、ついでに前に正しく作った部分まで壊してしまう。

正しく問うほうが、AI に直接書かせるより効果的だ

「翻訳ツールを作って」とは言わない。そうではなく、こう言う:「今ある WebSocket proxy の方式は Groq には使えない。あれは REST API で WebSocket ではないからだ。フロントエンドを chunked HTTP 方式に変え、3秒ごとに音声を一区切りにして POST する必要がある。onstop + restart のループで race condition は起きるか?」

こういう問いこそ、役に立つ答えが得られる。

機能を書き終えても終わりではない、コードレビューをする

私は Claude に、書き終えたばかりのコードをエンジニアの視点で検査してもらった。結果、本当に三つの問題を見つけ出した:Groq が連続で失敗したときに完全に無言になる、MediaRecorder の closure の安全性の問題、アニメーション効果が新しいエンジンで発火しない。

この三つのバグは私自身では見つけられない。だが「この問いを問う」べきだとは知っていた。

AI は自分から巡回してはくれない

Fitbit の健康データが何日も壊れていたのを、私がたまたま尋ねたから気づいた。根本原因は、ある function が引数を一つ渡し忘れていて、スケジュール実行のたびに無言で失敗していたことだ。AI は夜中に起きてシステムが壊れていないかを検査してはくれない。何を問うべきか、いつ問うべきかを、こちらが知っておかねばならない。

これは新しい仕事の体感だ

かつて私たちは「情報リテラシー」と言った。検索ができ、情報の真偽を判断できることを指す。いま私たちに必要なのは「AIリテラシー」かもしれない:

  • 大きな問題を、AI が処理できる小さな問題に分解する方法を知っている
  • 技術的な制約条件を記述し、AI に実行可能な案を出させる方法を知っている
  • いつ AI の出力を信頼すべきか、いつ自分で検証すべきかを知っている
  • AI の能力の境界がどこにあるかを知っている。AI はあなたの代わりに書き、調べ、レビューしてくれるが、何をすべきかを自分から考えてはくれない

これはエンジニアの専売特許ではない。これは AI をうまく活かしたいすべての人に必要な能力だ。

私はコードを書けない。だが AI と協働して一つのリアルタイム翻訳ツールを作りたかった(話が合わなければ即ソフトを作る、がすでに現実になった)。